台北 紫藤廬「ツートンルー」の台湾烏龍茶
- 2018.03.29 Thursday
- 23:49
紫藤廬「ツートンルー」の名前は薄紫色の藤の花から。
藤の花は日本では家紋の「下り藤・さがりふじ」としても使われています。
門を抜けると池に鯉が泳いでいました。
懐かしい日本の家の風景ですね。
紫藤廬は1979年にオープンした「茶藝館」の草分け的な存在で、
1921年に日本海軍関係の建物として建てられた日本家屋で、畳も残されていました。
歴史を感じる空間で、ゆっくりとお茶を楽しむことができました。
奥には藤棚もありました。
春になると我が家の藤の木も「ジャックと豆の木」のようにベランダにどんどん枝が伸びてきて、
花が咲いてくれるといいのですが、毎年花は少しだけ。
この紫藤廬(ツートンルー)の藤は3月から5月にかけて見頃になるそうです。
オープンしたばかりの時間に着いたので座る場所も選ぶことができました。
庭と池が見える窓際に座りました。
奥にあった4人掛けのテーブル
「木の根」が目の前に立ちはだかっていて驚きましたが、ここは台北
この木の姿も台北らしいものかもしれませんね。
春悦(しゅんえつ)
茶葉は春悦(しゅんえつ)をお願いしました。
台北郊外の坪林(へいりん)でとれる自然農法によって作られる手作りの春葉
香り高く、大自然そのもので茶湯は品良く清らかで、濃厚な蘭の香りを放ちます。
と書かれていました。
台湾烏龍茶の正式な淹れ方は「工夫式・くんぷうしき」
茶器は聞香杯(もんこうはい)と茶杯(ちゃはい)を使って淹れます。
初めは紫藤廬の方に入れていただきました。
お湯は上から注ぎます。
紅茶も同じですが、酸素が含まれることでお茶の味が美味しくなります。
1分ほどしたら、茶海(ちゃかい)に注いで味を均等(きんとう)にします。
茶海(ちゃかい)は日本ではピッチャーと言いますが、この茶海を使って聞香杯(もんこうはい))「細長い筒型のもの」に
注いで、次に聞香杯から茶杯(ちゃはい)「小さめの茶碗」に注ぎます。
聞香杯に残った「お茶の香り」を楽しんでからお茶をいただきます。
中国茶用の最低の茶器を揃えるといいのですが、日本の「小さめの急須」で中国茶を淹れて、小ぶりな茶碗でも十分美味しい
中国茶が楽しめます。
昔の人たちはお水の代わりにお茶を飲んでいました。
忙しい毎日だからこそ、ペットボトルのお茶はやめて、ゆっくりとお茶や珈琲を飲む時間が作れるといいですね。
体もリラックスできます。
我が家は朝食後も夕食後にも紅茶や中国茶・日本茶・珈琲とこれからは庭で摘んだハーブティーも飲みます。
鉄瓶で沸かした(お湯がまろやかです)お湯を中国茶にも紅茶にも珈琲にも使います。「鉄分の補給も考えて」
後始末が大変のようですが、鉄瓶にお湯を残さないように使い切って火にかけて乾かしておけば、いつでも美味しいお茶が飲めます。
美味しいお茶請けがない時は「ナッツ類やドライフルーツ」」だけでも。自分だけの時間を楽しんでくださいね。
左の薩摩芋の優しい味が台湾茶に合っていて美味しいお茶請けでした。
我が家も薩摩芋の「シルクスイート」をオーブンで焼いて時々お茶請けにしています。
シルクスイートは旬のものなので食べられない季節もありますが、
その季節にしか食べれないものから、巡ってきた季節を感じます。
お湯は切らさないように絶えず湧いていました。
持ってきてくださったメニューに書かれた「文字」に「朝の光」が差していました。
美味しい春悦(しゅんえつ)のお茶とこの「光」も台北の思い出の一つになりました。
コーナーに飾られていた茶入れ
紫砂(しさ)朱泥(しゅでい))の色が美しい
長い年月を同じ葉を入れていて「いい色」に育っていました。
帰り際に朱の色の「紐」と「古い瓶」が目に留って。
ガラスのキャップが「星の形」で珍しいデザインでした。
工場で作られた無機質なガラスの印象とは違って、手作りのガラスのデコボコした表面も美しいものの一つです。
昔に作られたものはなぜこんなに美しいのでしょうか。
台湾大学の教授の住まいだったことで、多くの知識人や学者たちが集い、討論や研究の場として使われてきました。
そんなサロン的な雰囲気が窓や床などにも残されていました。
帰国する前にもう一度「台湾烏龍茶」も飲みたくて訪ねました。
歴史を生き抜いてきた「建物」には落ち着きと品のようなものが感じられました。
【DATA】住所 台北市新生南路三段16巷1号
MRT新店線の台電大樓駅から徒歩10分程
電話 02-2363-7375
営業 10:00〜23:30(無休)